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2020.05.19
ボイトレ方法

自宅で簡単！[ながらボイトレ] ③筋トレ

ボイストレーニングにおいて、日本人が鍛えるべき筋肉はどこでしょうか。
腹筋？それとも背筋？

答えは両方ともNO!!です。

日本語を母国語とする私たちが鍛えるべき筋肉は下記の３つです。
①舌の筋肉
②唇の筋肉
③表情筋

なぜなら、日本語の発音はとてもシンプルなので、舌や唇、顔の動きをあまり必要としません。なので圧倒的に普段から外国語を話す人とは筋肉量に差があります。
ドイツ語は80%、英語は60%の表情筋を使って話していると言われています。では、日本語はどのくらいだと思いますか？

答えはたったの20%です。
今、日本語を話していて、今後も日本語しか話す予定がなくて、特に歌も歌わないし、喉や声には不便なく、快適な方はそのままで大丈夫です。でも、歌が上手くなりたい、英語の発音が上手になりたい人には、必須トレーニングです。

腹筋と背筋は鍛えるな！

ボイトレのための筋トレなら「腹筋と背筋でしょ！」と、一番に頭に浮かんだ方も少なくないと思います。しかし、それよりも大事なのは舌・唇・表情筋です。

「腹筋と背筋は歌に必要ない」という意味ではありません。腹筋と背筋は、正しく呼吸トレーニングを行えば呼吸筋と腹筋、背筋はすべて一緒に鍛えられます。むしろ、呼吸と同時に働かせる事を週間化するべきです。わざわざ時間を割いて「筋トレ」として別に行わなくても良いという事です。

舌や唇も、発声や呼吸法と組み合わせて行う事も可能です。ただ冒頭にも述べたように極端に欠如している筋肉なので、集中して鍛えて欲しいです。なので「組み合わせる」事をあまりおすすめしません。筋トレをするときには「今ここの筋肉を鍛えている」と意識するだけで効果が上がると言われていますね。
特に舌の筋肉は要です。舌を鍛えるだけで発声が変わると言っても過言ではありません。

日本語と英語の発音と発声

私はアメリカ滞在中に発音（ディクション）についての重要性に気づき、帰国してから猛烈に勉強し始めました。なぜ帰国してからなのかというと、帰国後改めて、日本語ばかり話していては歌が上手にならないと確信したからです。

少し長いですが体験談をシェアします。
英語やドイツ語などの歌を先生に聞いてもらうと、出だしの母音の発音からなかなか前に進まないのです。本当です。1レッスンで1小節しか進まない。もしくは飽きられるなんて事はよくありました。日本人として生まれたことを悔やみました。
そして、発音ばかり練習していると、顎がガチガチに固まってしまったり、顔が引きつったりしていました。今考えると、大きな原因は「発音に関する筋肉の未発達」でした。

米国滞在では「日本語を聞かない、話さない。とにかく英語で聞いて英語で話す」を目標としていました。ただしこれは音楽における目標ではなく「英語学習」における目標です。
そして3ヶ月目頃。少しコツをつかんだ気がしました。聞き取りも楽になり、話すのも楽になったのです。「人の声を聞くと同時に、自分の声帯も動いている」と言われています。きっと、赤ちゃんが言葉を習得するかのように、英語の発音の仕方を、無意識のうちに脳が勉強していたんだと思いました。

帰国後、出産や育児で歌から少し離れる期間ができてしまいました。いざ再開するも、ふにゃふにゃ。そしてこの際、ゼロからやり直そうと思いました。何から勉強したらいいのか悩みました。そこで米国での体験を思い出し、発音に関するところから勉強を始めました。発音記号（IPA）に基づいた舌や唇の動きなどです。なぜなら、子育てしながらだったので、レッスンに通う時間やピアノを使ってボイトレする時間が取れなかったから。

隙間時間や寝かしつけ時に音声学習や外国人youtuberの動画などを見ました。すると、今までとは違う声が私から出てきました。その変化に昔を知っている先生もとてもびっくり！「日本人でも英語を話す人は歌がうまいな〜」と感づいていましたが、発音と発声の深い関係を確信したのです。

もちろん「子音と母音が一個ずつ、あるいは母音だけ」や、「母音が5つしかない」などの一般的な知識はありました。やはり何事も「実感」や「実体験」が重要です。

では、首藤流＜ながらボイトレ＞の＜ながらボイトレ：基本のながら筋トレ＞を紹介します。

ながら筋トレ①舌　＜初心者向け＞

①4秒間、舌を思いっきり突き出しキープします。
②4秒間かけて、ゆっくりと引っ込めます。
③4秒間、引っ込めたままキープします。
④4秒間かけて、ゆっくり突き出します。
⑤1〜4を繰り返します。

コツや注意点
・キープする時は「これでもか！」ってくらい思いっきり
・動かす時はゆっくり、極力なめらかに
・突き出す時は、したが地面と平行になるように。下向かないように
・呼吸は止めずに、深い呼吸を心がける。
・舌を動かしている時は、実況中継するように「今舌先が歯茎のあたりから何ミリくらいのところで、、、」と具体的にイメージする。

ながら筋トレ②唇　＜初心者向け＞

①4秒間、唇を思いっきり突き出しキープします。上唇が鼻につくぐらい。
②4秒間かけて、ゆっくりと唇を口の中に引っ込めます。鼻の舌を伸ばすように。
③4秒間、引っ込めたままキープします。
④4秒間かけて、ゆっくり突き出します。
⑤1〜4を繰り返します。

コツや注意点
・上唇90%、下唇10%くらいの意識バランス
・キープする時は「これでもか！」ってくらい思いっきり！
・動かす時はゆっくり、極力なめらかに
・呼吸は止めずに、深い呼吸を心がける。
・唇を動かしている時は、実況中継するように具体的にイメージする。

ながら筋トレ③表情筋

①頭頂部に紐をククる（イメージをする）
②紐を真上に持ち上げる（イメージをする）
③紐をいきなり離して（イメージして）、脱力する
④1〜3を繰り返す

コツや注意点
・下顎は脱力。つまり、紐を持ち上げても上あごにぶら下がってるだけ。
・眉毛は持ち上がり、目はみひらく。
・両頬はあまり持ち上がらず、鼻の奥が持ち上がる

最初は鏡を見ながら確実に！

最初は鏡を見ながら行って、自分がどんな動きをしているのか確認してください。きっと頑張ってるつもりでも思った以上に動かせていません。Gackt さんの公式youtubeチャンネル『英語ガク習塾』でも「ノートやペンじゃなくて手鏡を持って！」と話しています。
なんとなくできるようになったら、”ながらボイトレ”として、シャワー中や家事中、通勤中（マスク必須！）などに毎日頑張って見てください。