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オーケストレーション(管弦楽法)を習得したい方へ 005 グリーグ:ワルツ 原曲(ピアノ版) を 木管五重奏版 へ
このシリーズ、第1回はオーケストレーションとレッスン概要を、第2回では弦楽四重奏版アレンジについて、第3回では弦楽アンサンブル版について、第4回では金管五重奏版のお話しをしました。
今回は木管五重奏版(注意:作例は絶対的な解答ではなく、編曲する人や、考え方や、翻案の仕方によりさまざまであることを、ここに記しておきます。ご了承くださいませ)です。
まずは原曲(ピアノ版)ご覧ください。
木管五重奏で最も一般的な編成は、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンで、各奏者1人ずつです。
フルート(Flute)・・・Fl.と略記
オーボエ(Oboe)・・・Ob.と略記
クラリネット(Clarinet)・・・Cl.と略記
(フレンチ)ホルン(French Horn)・・・Hn.と略記
バスーン(ファゴット)(Bassoon)(Faggoto)・・・Bn.(Fg.)と略記
Fl.はエアーリード系、Ob.とBn.はダブルリード系、Cl.はシングルリード系、 Hn.はリップリード系ということで、発音原理がそれぞれ違い、音色も大きく異なります。ちなみに、Hn.は金管五重奏で扱いましたが、木管楽器的な柔らかい音も出せ、木管楽器と馴染みやすいゆえ、木管五重奏でもメンバーです。
今回、Cl.は in Bb、Hn.は in Fの移調楽器なので、前者は「ド」を演奏すると「シのフラット」なのでつまり記譜の長2度下、後者は「ド」を演奏すると「ファ」なのでつまり記譜の完全5度下の音が出るという仕組みです(移調楽器についてはここでは詳細な解説は避けます)。
並び順は一般的には、左からFl.、Ob.、Hn.、Bn.、Cl.が最もメジャーかと思いますので、今回はこの並びを扱います。
次に木管五重奏版にした楽譜と音源を掲載します(視聴は、良いスピーカーや、ヘッドフォンやイヤフォンをお勧めします)。
いかがでしょうか?基本的には、上から音域順に原曲の音をそのまま当てはめていますが、いくつか異なる点もあります。
1・・・冒頭のイントロにおける伴奏音形の考え方とアーティキュレーションの追加について
2・・・アクセント記号追加について
3・・・冒頭伴奏音形のCl.とHn.について
4・・・2〜10小節のメインメロディについて
5・・・11〜12小節のメインメロディについて
6・・・13〜14小節のメインメロディについて
7・・・15〜16小節について
8・・・17〜18小節について
順番に見ていきましょう。
まず、1〜2については 第2回でお話しした内容と同じなのでそちらをご覧ください。
ということで、 3・・・冒頭伴奏音形のCl.とHn.について です。
音域順では、譜例と逆になると思いますが、動きがある声部が上なので、Cl.よりも音量があるHn.を上のパート、Cl.を下のパートにしています。Cl.とHn.を入れ替えたバージョンの前半を作ってみましたので、比べてみましょう。
楽譜と音源を掲載
続いて、 4・・・2〜10小節のメインメロディについて です。
ここは、Fl.でも可能ですが音勢が弱く、Cl.でも可能ですがキャラクターがOb.の方が良いと思い、今回はOb.にしてあります。試しに、Fl.バージョン、Cl.バージョンも作ってみたので、比べてみましょう。
Fl.だと音量が弱く、今回は、あまり相応しくないでしょう。
伴奏楽器も変わるため、うーん・・・という感じです。
続いて 5・・・11〜12小節のメインメロディについて です。
ここは、Ob.のままでも可能ですが、音楽の変化があるので、楽器も変えてCl.にしてみました。内声は、目立つ上の部分をOb.、その下をFl.にしてあります。
続いて 6・・・13〜14小節のメインメロディについて です。
ここは再びOb.に戻しています。このことで、11〜14の反復進行の間、音色の変化を楽しめます。演奏してる方も、役割が変わり有意義に演奏ができます。内声は、目立つ上の部分をCl..、その下をFl.にしてあります。
続いて 7・・・15〜16小節について です。
15小節は再び、メインメロディをCl.にそして16小節でOb.にと、移り変わります。Fl.は最低音ですが、今回ややむを得ません。
最後に、 8・・・17〜18小節について です。
音量が大きいフォルテなので、メインメロディをHn.に、そして全く同じ高さでFl.で厚みを増しています。この部分をフルート無しでも大丈夫ですが、「Tutti(全員で演奏する)感」は出したいので、入れました。また、Fl.らしい輝きを加えるため、Fl.を1oct.上でもありです。Ob.は音域がかなり低いですが、今回はやむを得ません。Ob.が低すぎるのを避けるために、Ob.以下を音域順にするのもありです。
このような感じで、今回は、 弦楽アンサンブルや金管アンサンブルよりも、個々のパートの音色が異なる分、考慮することが多いです。
なお、全てを音域順にすると、バランスが悪くなります。特に、前半Fl.をメインメロディにしたヴァージョンでお分かりかと思いますので今回は省略します。
いかがでしたでしょうか?今回は金管五重奏のためのアレンジでした。
次回は、特殊1管編成オーケストラ(木管五重奏と弦楽アンサンブル)のためのものを記事にしたいと思います。
また、レッスンを受けてみたい、レッスンについてもっと詳しく知りたい、という方、お問い合わせはこちらからどうぞ!
それでは!
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